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教員養成大学で学んでいる学生は、全て「自然、環境、および社会」の教科の単位を取ることが義務付けられている。この単位を取得するためには300時間の学習が必要となっている。このことによって、全ての教員が環境教育を行う基礎を持つことが期待できる。
このような教員となる学生に対する環境教育のためのトレーニングは環境教育の効果的な推進のために大変重要である。アメリカでもアリゾナ州、デラウエア州、ウィスコンシン州の3州で、ある特定の教科の教員になるためには、環境教育のトレーニングを受けていることが求められている。(National EE Advancement Project,1996)
第2章で述べたように埼玉県で行ったアンケート調査の結果、環境教育を行わない理由として「どのように環境教育を行えばよいかわからない」をあげている教員が小中学校を通じて多い。このような現状の問題を解決するためにも、日本の大学の教育学部における「環境に関する科目の単位取得」を検討する必要があるのではないだろうか。
さらに、ノルウェーにおいては、すでに教員となっている人に対しても環境教育のトレーニングを受ける研修制度が進められている。この制度は1990年から高等学校の教員を対象として、1994年から基礎学校の教員を対象として開始された。1996年現在では、すでに基礎学校の教員の40%が、高等学校教員のはぼ1OO%が研修を終了している。
環境教育を進めていくに当たっては、このような教員のトレーニングは重要な位置を占めるといえる。この教員のトレーニングを各国がどのように実施しているか等に関しては平成9年度の研究でさらに深めていきたいと考えている。

 

 

 

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